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激しくなる空き缶争奪戦

2008年7月31日
 資源(原材料)価格が高騰するなかにあって、廃棄物のリサイクル率も高まっている。地下資源(バージン)から製造するよりも圧倒的に少ないエネルギーで製造できるのが理由だ。その代表例が空き缶である。
 
空き缶には、スチール缶とアルミ缶があり、生産量は、かつては圧倒的にスチール缶が多かった。平成10年のデータを調べると、スチール缶の生産量130万トンに対してアルミ缶は27万トンとスチール缶がアルミ缶の5倍近く多く生産されていた。ところが、近年はペットボトルが普及したためスチール缶の生産が減少して、平成18年には、スチール缶80万トン、アルミ缶30万トンとその差は縮まっている。アルミ缶の多くは急速冷却が求められるビール用の缶であり、ペットボトルとはあまり競合しないため、生産量は少しずつ増える傾向にある。
 
そんなアルミ缶とスチール缶の日本のリサイクル率は、世界的に見てトップクラスの優等生である。スチール缶のリサイクル率は88%で、建築資材や自動車部品、家電製品、鉄道のレール等にリサイクルされる以外に、再びスチール缶に(CAN TO CAN)生まれ変わっている。一方のアルミ缶のリサイクル率は90%を超えており、アルミ缶からアルミ缶へのリサイクル以外に、自動車部品や製鉄所での脱酸剤として利用されている(全国的にはCAN TO CANリサイクルが63%を占めている)。とりわけ、アルミ缶のリサイクル率は、過去30年間を振り返ると、1977年=17.2%に過ぎなかったのが、1987年=41.5%1997年=72.6%そして2007年=92.7%といった具合に急速に高まっている。
 
アルミ缶の場合、原料のボーキサイトから生産するのに比べて、アルミ缶をリサイクルすると使用するエネルギーが3%程度で済むため(スチール缶の場合は鉄鉱石からつくる場合の25%程度)、ごみとなったアルミ缶への需要が急増して買取価格も高騰している。九州の場合、自動車産業の集積度が高まっているので、自動車部品向けのリサイクル割合が急増中で、アルミ製空き缶需要も増えている。福岡市内では、10年前にキロ当たり60円前後で取引されていた相場が、今は120円~160円で取引されるといった具合に、相場は2倍以上に高騰している。
 
先週土曜日の西日本新聞夕刊によると、アルミ缶買取価格の高騰で、福岡市都心で、アルミ製の空き缶争奪戦が激しくなっているという。空き缶を拾って現金収入を得ているホームレスが増えているだけでなく、年金生活者や非正規雇用者も次々と参入しているという。
 
23年前に、中国特需の影響で金属相場が高騰した時、銅を含む電線の盗難が多発したことがあったが、非鉄金属相場も高騰しており、気になるところではある。

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