祝!地域資源活用事業計画50件?
2008年8月7日
昨年6月に地方再生につながる重要な法律「中小企業地域資源活用促進法」が施行されてから1年以上が経過した。この間、4回の審査会が開催され、九州7県では、累計丁度50件(全国は7月31日現在428件)の事業計画が認定されたことになる。
先週末に認定を受けた事業計画12件(農林水産物を活用したもの3件、鉱工業品及びその生産技術を活用したもの8件、観光資源を活用したもの1件)のうち、個人的に興味を引いた3件を以下に紹介する。
1.都城市の味噌醤油メーカー(早川しょうゆみそ)…牛肉レトルト食品の開発
活用する地域資源:牛肉
経産牛(出産した牛)は肉質が硬くなってしまうが、パパイアに含まれるパパインというたんぱく質分解酵素を活用すると柔らかくなる点に着目して、宮崎大学と共同研究した結果、牛肉を柔らかくするみそたれの開発に成功した。
2.熊本県御船町の馬油メーカー(肌美和)…お肌にハリを取り戻す化粧品の開発
活用する地域資源:馬肉
中高年の女性なら誰でも悩んでいるのが「小じわの改善」である。小じわを改善するための化粧品にはコラーゲンが使用されており、かつては牛由来のコラーゲンが主流だったが、BSE問題以降は魚由来のコラーゲンが広く使われるようになっている。ところが、牛由来のコラーゲンが溶ける温度は人間の体温より高目で、魚由来のコラーゲンが溶ける温度は人間の体温よりやや低いため、お肌への馴染み方がイマイチだった。そこで、馬の体温が牛や魚などより人間に近いため、優位性がある点に着目した。馬(熊本県は全国一の馬肉の消費地)のスジやアキレス部位から抽出したコラーゲンと馬油を配合した化粧品を試作している。(ちなみに、火傷をした時に馬油を塗るのは、九州人だけだそうである。)
3.長崎市の海運業者(やまさ海運)…軍艦島再生プロジェクト
活用する地域資源:軍艦島
かつて海底炭坑の島として栄えていたが、現在は無人島で上陸禁止となっている端島(軍艦島)への来年度上陸開始が長崎市で計画されているため、観光資源として軍艦島を活用し(現在でも同社は軍艦島周遊クルーズを開催しており、年間1万人の観光客を集めている)、上陸案内ガイドの育成を通じた産業遺産観光の商品を開発する。平たく言えば、ヘリテージ・ツーリズムの推進である。ちなみに軍艦島は、長さ480m幅160mの島で、巨大な原油運搬船より一回り大きい程度。この小さい島に50年前は5,000人以上が住んでいた。島内に林立している高層鉄筋コンクリート製アパートによる島の姿が旧日本海軍の戦艦「土佐」に良く似ていることから「軍艦島」と呼ばれている。
注目したいのは、認定された事業計画50件の県別内訳である。福岡県が11件と最も多く、長崎県が10件で続く。これに佐賀県の6件を加えると過半数の27件となる。九州経済の北高南低を打開するには南九州や東九州にがんばってもらわなくてはならないのだが、鹿児島県は4件、大分県が5件と寂しい(熊本県と宮崎県は、ともに7件)。今のままでは、地域間格差を是正するための法律が、逆に格差拡大につながるのではないかと懸念される。「そりゃ、あんたの仕事でしょ!」と言われると、反論できないのが残念ではあるのだが。
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